GREATER ATLANTA by Mark Steinmetz
アメリカ人フォトグラファー、マーク・シュタインメッツ(Mark Steinmetz)の作品集。作者はモノクロのポートレイトが高く評価され、アメリカ人の若者の多くが感じている耐え難いほどの所在の無さや孤独感を捉えた力強い作品で知られている。2007年から2009年にかけて「NAZRAELI PRESS」から刊行された『SOUTH』シリーズ3部作(『SOUTH CENTRAL』(2007)、『SOUTH EAST』(2008)、『GREATER ATLANTA』(2009))は、アメリカの文化と進歩の概念を叙情的かつ感動的に描き出す。本作は長らく絶版となっていた3部作のうち、最終章である『GREATER ATLANTA』の新装版。フォーマット、シークエンス、デザインはオリジナル版を忠実に再現し、紙や印刷はより質の高い仕上がりとなっている。
「力強い感動を呼ぶ、マーク・スタインメッツの3部作『SOUTH』の最終章である『GREATER ATLANTA』は、アトランタとその周辺の地域で撮影された。ポートレイトとランドスケープを組み合わせることによって、現代アメリカの現状を象徴的かつ叙情的に探求し、進歩の概念にさりげなく疑問を投げかけている。さらに、最初に『SOUTH CENTRAL』に登場した自動車や電話といったモチーフを掘り下げ、車文化、ファストフード、コンビニエンスストア、スプロール現象などを写真に収めている。」―『GREATER ATLANTA』解説より
「数十年に渡りアメリカ南東部、主にジョージア州、ケンタッキー州、テネシー州、ミシシッピ州を撮影してきたマーク・スタインメッツの作品の中から、モノクロ写真を集めた穏やかで洗練されたコレクション、『SOUTH』。彼のイメージには、普遍的に理解できる南部特有の優しさ、哀愁、憧れが溢れている。本質的にはドキュメンタリーでありながら、卓越した洞察力で被写体を見つめ、美しさと尊厳を引き出し、南部特有の魅力を余すことなく伝える作品に昇華している」― LENSCRATCH