GROW IT, SHOW IT! A LOOK AT HAIR FROM DIANE ARBUS TO TIKTOK
様々な側面から髪の文化的意義を写真作品を用いて探る作品集。2024年9月から2025年1月までドイツの「フォルクヴァンク美術館(Museum Folkwang)」で開催された展覧会に伴い刊行された。本展は髪をテーマとしたドイツで初の大規模な写真展である。
アフロ、ロックス、ブレイズ、コーンロウからボブ、ビーハイブ、テーパーまで、髪は我々の日常生活に欠かせない文化であり、無限に広がるデザインの可能性を秘めている。
髪は常に政治的メッセージを発信し、個人の信念を示すために使われてきた。公的な表現であると同時に親密さを持つ媒体でもある髪は、深い社会的転換を示し、変化する思想を反映し、変容と自分を勇気づけるための道具となりうる。髪は、政治的権力と解放の(サブ)カルチャー的な記号や象徴として機能し、身体とクィア言説の政治的な対象なのである。
歴史的、現代的な写真作品、映像、フィルムクリップを用いて、毛やその不在を示し、様々な文化的、形式美学的、メディア的な角度から光を当てる。本書は、ファインアートとしての写真作品やファッション、ソーシャルメディアから抜粋した豊富な写真群、アーティストによる寄稿、美術史や文化研究の視点から著した10のエッセイを収録。ファインアート、ファッション、広告写真に現れている政治的、宗教的、社会的側面に焦点を当てながら、髪、毛が見せる多くの側面を紹介する。
キュレーターのミリアム・ベティン(Miriam Bettin)、トーマス・シーリグ(Thomas Seelig)をはじめ、アーティストで作家のモニカ・オラエミ・イルピジュ(Monilola Olayemi Ilupeju)、人類学者であるシャハラム・アリア・コスラヴィ(Shahram Khosravi)、研究者のアルマ・キットナー(Alma Kittner)、メディア理論家で研究者、作家、ライターのアネカトリン・コホウト(Annekathrin Kohout)、作家、ライターのヨハンナ・クロズィック(Johanna Kuroczik)、作家のヘルガ・リュトケ(Helga Lüdtke)、社会学研究者のアデバヨ・クアドリ=アデカンビ(Adebayo Quadry-Adekanbi)、美術史家、ジャーナリストでミュージシャンのイェルク・シェーラー(Jörg Scheller)、文学者、メディア学者、写真理論家、写真史家であるベルント・シュティーグラー(Bernd Stiegler)、ライターで作家のロリ・L・サープス(Lori L. Tharps)によるエッセイを収録。
参加作家:
ホダ・アフシャール(Hoda Afshar)、ダイアン・アーバス(Diane Arbus)、フアン・パブロ・エチェヴェリ(Juan Pablo Echeverri)、サミュエル・フォッソ(Samuel Fosso)、ピッパ・ガーナー(Pippa Garner)、ナン・ゴールディン(Nan Goldin)、フローランス・アンリ(Florence Henri)、ピーター・ヒュージャー(Peter Hujar)、ヘルリンデ・ケルブル(Herlinde Koelbl)、ゾーイ・レオナルド(Zoe Leonard)、アナ・メンディエタ(Ana Mendieta)、ヘルムート・ニュートン(Helmut Newton)、二本木里美、ウルリケ・オッティンガー(Ulrike Ottinger)、リングル&ピット(Ringl & Pitt)、ロクサーナ・リオス(Roxana Rios)、トーマス・ルフ(Thomas Ruff)、ヴォルフガング・ティルマンス(Wolfgang Tillmans)、他。