100 PISAMA / 100 LETTERS by Marina Abramović
旧ユーゴスラビア出身のパフォーマンスアーティスト、 マリーナ・アブラモヴィッチ(Marina Abramović)の作品集。
手紙の送り方、受け取り方について
私は幼い頃から30代前半まで、受け取った手紙を開けて読むことに大きな問題を抱えていました。手紙を開ける勇気が出るまで、何週間も机の上に置いたままになり、その間に罪悪感がどんどん大きくなっていきました。
たいていの場合、手紙を開いたときには返事を出すのが遅すぎて、罪悪感は以前よりもひどくなりました。
私は、1965年に母から受け取った最初の手紙から、1979年にベオグラードを離れるまで、すべての手紙を保管していました。
そこで、送り主の名前は書かずに、すべての手紙の最初の文を時系列で書き留めてみたのです。そして書き終えたとき、これらの最初の一行によって作られたテキストを読むだけで、私の人生のすべてをたどることができるということに驚かされました。
後で聞いた話では、マルセル・デュシャンは手紙を受け取ると、受け取った手紙を開いて返事をし、すぐに燃やしてしまったそうです。
ジャン・ティンゲリーは一度も手紙を開けず、返事もせず、毎年クリスマスに未開封の封筒を燃やす儀式を行っていました。
ーマリーナ・アブラモヴィッチ
by Marina Abramović
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