BAS-RELIEFS by Ronan Bouroullec
パリを拠点に活動するブルターニュ出身のデザイナー、ロナン・ブルレック(Ronan Bouroullec)の作品集。作者は、弟エルワン・ブルレック(Erwan Bouroullec)と共同でデザインデュオとして活動しており、「Artek(アルテック)」、「Vitra(ヴィトラ)」、「Hay(ヘイ)」、「Kvatrat(クヴァドラ)」など、世界各地のインテリアブランドとコラボレーションを行なっている。本作は、2021年11月から2022年1月までロンドンのギャラリー「ギャラリー・クレオ(Gallery Kreo)」で開催された「23 bas-reliefs」で展覧された。
『ロナン・ブルレックのバスレリーフ(浅浮き彫り)を見ると、見慣れた物のシルエットや知っている風景の輪郭など、私たちが認識している言語の痕跡を見ることができます。私たちは、この作品を単なるモノのアルファベットとして、『客観的』に見たくなるかもしれません。しかし、タブローとしてのレリーフは、あるものは端が伸びすぎ、あるものは中心がずれて転がりそうな円、またあるものは倒れそうなピンク色の塊と、全く正しいものとは言えません。ブルレックの作品は、新しい言語を求めるように耳を傾けると、最も満足感を感じることができます。言語は常に粘土から生まれてきました(円筒印章を思い浮かべるとよい)。ブルレックは、自分なりの言語を発展していると信じるのは容易なことではないでしょうか。少なくとも、絵画、彫刻、デザインの間のどこかにあるこれらの作品は、『bevel(角度定規)』や 『disintegrate(分解)』といった新しい動詞を求めてくるのです。(そして、作品が語るところによると、斜角ほど美しいものはないのだそうです。そのテーパー(先細りになっている部分)は心地よく当たります。背景に溶け込む様子は、デジタルでありながら、ひどくアナログ的でもあります。見ていると触りたくなるように、この効果は、視覚的であると同時に触覚的でもあります。)』
―ジョシュ・アッシャーマン(Josh Ascherman)