ARTWORKS 1970-1994 by Donald Judd
アメリカ人アーティスト、ドナルド・ジャッド(Donald Judd)の作品集。
色、形、素材、そして空間を使った綿密な実験を繰り返しつづけてきた作者は、いまや戦後のアメリカでは最も重要なアーティストの一人である。本書には、拡張的なインスタレーションから個々の作品まで、多様な制作物が収録されており、作者の変遷や手法について新しく、かつ貴重な視点を見せてくれる。例えば、1986年に制作されたベニヤ板の箱を壁に据え付けた作品は、作者のもっとも大きく複雑な作品の一つである。他にも、ある特徴的な形を、コールテン鋼(耐候性鋼材)やアクリル樹脂、銅、無塗装の合板、マットなアルミ、着彩されたアルミなど、さまざまな素材で制作した一連の作品群も含まれる。本書はその作品群を非常に正確に写し取り、図版として細部まで綿密に記録している。
作品、美術評論、そしていまもなお残る影響力について、美術史家、評論家、小説家、パフォーマーなど、さまざまな分野で活躍する面々により、豊かで多彩なテキストが添えられている。本作は、2020年にニューヨークのギャラリー「David Zwirner」で開催された展覧会に伴い刊行。ニューヨーク近代美術館(MoMA)で2020年に大々的に開された作者の回顧展を補完する一冊でもある。
グラフィックデザイナーのソニア・ダヤコヴァ(Sonya Dyakova)が主宰する「アトリエ・ダヤコヴァ(Atelier Dyakova)」が装丁を手がける。
寄稿:フラヴィン・ジャッド(Flavin Judd)、ジョアナ・フェイトマン(Johanna Fateman)、ルーシー・アイヴス(Lucy Ives)、ブランデン・W・ジョセフ(Branden W. Joseph)、マルタ・クズマ(Marta Kuzma)、テッサリー・ラ・フォース(Thessaly La Force)、アンナ・ロヴァット(Anna Lovatt)、ローレン・オイラー(Lauren Oyler)、ウェンディ・ペロン(Wendy Perron)、マイケル・ストーン=リチャーズ(Michael Stone-Richards)、ミミ・トンプソン(Mimi Thompson)
インタビュー ソニア・ダヤコヴァ 『Donald Judd, Artworks: 1970–1994』における制作プロセスとその理想形