アメリカ人アーティスト、ラシード・ジョンソン（Rashid Johnson）と、アメリカ人歴史家であるシェリル・ジョンソン・オディム（Cheryl Johnson-Odim）の作品集。シェリルはラシードの実母であり、時間と媒体を超えた母と子の親密な交流を記録した美しい一冊に仕上げられている。

表紙のタイトルには銀色の箔押しを施し、慎重に選んださまざまな種類の紙を本文に使用した本書は、ラシードが8歳になった1985年にシェリルが初めて刊行した詩の小冊子『Other Women Before Me』の改訂版が元となっている。2022年、詩人であり作家のアミリ・バラカ（Amiri Baraka）、ニキ・ジオヴァニ（Nikki Giovanni）、クラウディア・ランキン（Claudia Rankine）、シルヴィア・プラス（Sylvia Plath）らの作品集とともに、地中海西部メノルカ島のギャラリー「Hauser & Wirth」で2022年6月から11月にかけて開催されたラシードの展覧会「Sodade」内のリーディングコーナーにて本書は紹介された。あわせて、本書の表紙となっている画像も展示されている。

掲載されているドローイングは、2020年のスケッチブックから引用されたものであり、詩の作品を収録し、書籍の中央ページの部分には母息子による広範囲にわたるパーソナルな対話の記録が記されている。折り畳まれたカバーは開くとポスターとしても使用できるようになっている。