LUC TUYMANS: CATALOGUE RAISONNÉ OF PAINTINGS VOLUME 3, 2007–2018 by Luc Tuymans

ベルギー人アーティスト、リュック・タイマンス(Luc Tuymans)の作品集。歴史やテクノロジーと絵画との関係を探究する作者のキャリアを包括的に記録したカタログ・レゾネの第3巻。2007年から2018年にかけて制作された作品約200点を収録する。

1990年代、作者は絵画の復活において重要な役割を果たしたが、その作品は色彩を抑え具象的で、静かで控えめであり、時に不穏な声が聞こえてくるようでもあり、また写真やビデオスチルなどの既存のイメージを用いて制作していた。本書では、モダニズムや絵画史に加え、宗教、起業化、文化的記憶といった様々なテーマを、作者が最も得意としながらも繊細に、しかし挑発的に表現する。

とりわけインターネットは、スクリーンと同様に作品の中心的存在になっており、現代におけるイメージというものを新たなスタイルへと導いている。絵画という伝統的な媒体を使い続けているにも関わらず、その作品群は極端に「メディア化」されており、画面から出る光のようなものが近年の絵画作品からは見出すことができる。

作品に加え、美術史家のエバ・マイヤー・ヘルマン(Eva Meyer-Hermann)による編集後記と、インスタレーションビュー、図版付きの年表も収録。本書は、あらゆるもののデジタル化が進む現代においてもなお、作者がその信念を貫き、絵画の重要性と妥当性を主張し続けている証であり、その存在はアーティストや研究者にとって指標であり続けている。

by Luc Tuymans

REGULAR PRICE ¥30,800  (tax incl.)

hardcover in a slipcase
430 pages
232 x 305 mm
color
2019

published by DAVID ZWIRNER BOOKS