TAKE ME (I'M YOURS) by Christian Boltanski, Hans Ulrich Obrist

1995年、ロンドンの「サーペンタイン・ギャラリー(Serpentine Gallery)」にて初めて開催され、2015年以降パリ、コペンハーゲン、ニューヨーク・ブエノスアイレスと様々な場所・形で展開された「Take Me (I’m Yours)」展は、キュレーターであり、「サーペンタイン・ギャラリー」でアーティスティック・ディレクターを務めるハンス・ウルリッヒ・オブリスト(Hans Ulrich Obrist)とアーティストであるクリスチャン・ボルタンスキー(Christian Boltanski)が手がけ、芸術作品の見せ方を再考する必要性を問う一連の対談から発展したものである。来場者は慣例を破るように、通常であれば美術館では許されない行為を促された。作品に触れ、利用し、変化を加えることもでき、消費または着用するもよし、購入しても、無料で持ち帰っても、もしくは自分の持ち物と交換することも許された。

本書は、2017年11月から2018年1月までミラノの美術館「ピレリ・ハンガービコッカ(Pirelli HangarBicocca)」で開催された展覧会に伴い刊行された。単なる視覚的、記録的アーカイブにとどまらず、芸術の受け取りや寄付にまつわる、そして大衆を展示の形の中心点とするアイデアの発展を証明する一冊となっている。美術評論家でありキュレーターのレア・ヴェールジネ(Lea Vergine)、詩人、エッセイスト、翻訳家、文化評論家のルイス・ハイド(Lewis Hyde)、社会学者、研究者であるアルノー・エスクエール(Arnaud Esquerre)、哲学者のパトリス・マニグリア(Patrice Maniglier)、執筆家、文芸評論家、脚本家のアラン・パウルス(Alan Pauls)、キュレーターのハンス・ウルリッヒ・オブリスト、アーティストのクリスチャン・ボルタンスキー、そしてキュレーターであり美術史家のキアラ・パリージ(Chiara Parisi)とキュレーターのロベルタ・テンコーニ(Roberta Tenconi)がそれぞれの多種多様な視点を通し本テーマに光を当てている。ミラノでの展覧会を彩った作品を記録した膨大な図版とあわせて、1995年に「サーペンタイン・ギャラリー」で、アーミン・リンケ(Armin Linke)が撮影した未公開の歴史的な記録写真も収められている。

ギフトという概念に更に遊び心を加えるべく、購入者が展覧会を自宅に持ち帰れるというアイデアに基づいた限定特別版ボックスも、クリスチャン・ボルタンスキーの発想から生まれ、別途制作された。

by Christian Boltanski , Hans Ulrich Obrist

REGULAR PRICE ¥6,380  (tax incl.)

hardcover
272 pages
170 x 230 mm
color
2018

published by MOUSSE PUBLISHING