LIVE RECORDED DELAY: AN ARCHIVE OF “IL TEMPO DEL POSTINO" by Philippe Parreno, Hans Ulrich Obrist, M/M (PARIS)
現代のフランス美術を代表するアーティスト、フィリップ・パレーノ(Philippe Parreno)と、キュレーターであり、ロンドン「Serpentine Galleries」のアーティスティック・ディレクターを務めるハンス・ウルリッヒ・オブリスト(Hans Ulrich Obrist)の作品集。フランスを拠点に活動するクリエイティブ・ユニット「M/M(Paris)(エムエムパリス)」がアートディレクション、デザインを手がける。
オブリストとパレーノは、2007年7月12日から14日までの間、「Manchester International Festival(マンチェスター・インターナショナル・フェスティバル)」とパリの「シャトレ劇場(Théâtre du Châtelet)」からの依頼により、「マンチェスター・オペラハウス(Manchester Opera House)」の舞台で作品「Il Tempo del Postino A Group Show」を発表した。この作品は、同フェスティバルのメイン・ビジュアル・アート・コミッションであった。タイトルは「郵便配達の時間(Postman Time)」を意味し、パレーノのコンセプトがベースとなっている。
「展覧会が、空間を占有することではなく、時間を占有することだとしたら?」
この問いかけをテーマとし、舞台がギャラリー空間を担い、舞台上で時間をベースとした芸術作品を見せるという実験的なグループ展を発表した。演劇の持続時間における次元を乗っ取ったのである。時間をベースとした作品に焦点を当てることで、このグループ展は既成のギャラリー・モデルを軽快に変貌させ、視覚芸術の体験方法を再定義しうるものとなった。
本書「LIVE RECORDED DELAY」は、この伝説的とも言えるプロジェクトの唯一の記録であり、本の所有者の個人的なアーカイブであると同時に、いつか再演する日が来た時のための上書き可能な楽譜でもある。
リハーサルシーンを写した約100点の写真、豪華参加アーティスト陣のポートレイト11点、キュレーターのナンシー・スペクター(Nancy Spector)、オブリスト、パレーノによる寄稿で構成された本書は、ショー制作の軌跡を辿り、異質でありながら緩やかに連なるグループの個性的な肖像を描き出している。
600部限定発行のボックス入りで制作されており、2008年10月から2009年1月までニューヨークの「ソロモン・R・グッゲンハイム美術館(Solomon R. Guggenheim Museum)」で開催された「M/M(Paris)」のインスタレーション展「theanyspacewhatever」の作品の一部としても展開された。
参加アーティスト:
ダグ・エイケン(Doug Aitken)、マシュー・バーニー(Matthew Barney)&ジョナサン・ベプラー(Jonathan Bepler)、タシタ・ディーン(Tacita Dean)、トリシャ・ドネリー(Trisha Donnelly)、 オラファー・エリアソン(Olafur Eliasson)、リアム・ギリック(Liam Gillick)、ドミニク・ゴンザレス=フェルステル(Dominique Gonzalez-Foerster)、ダグラス・ゴードン(Douglas Gordon)、カールステン・ヘラー(Carsten Höller)、 ピエール・ユイグ(Pierre Huyghe)、ク・ジョンア(Koo Jeong A)、フィリップ・パレーノ、アンリ・サラ(Anri Sala)、ティノ・セーガル(Tino Sehgal)、リクリット・ティラヴァーニャ(Rirkrit Tiravanija)
EXHIBITION:
フィリップ・パレーノ:この場所、あの空
会期:2024年6月8日(土)- 12月1日(日)
休館日:年中無休
時間: 9:00 - 17:00
開催場所:ポーラ美術館 展示室1、2、5および屋外
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