SYNCHRONICITY by Philippe Parreno
現代のフランス美術を代表するアーティスト、フィリップ・パレーノ(Philippe Parreno)の作品集。2017年7月から9月にかけて、作者にとって中国本土で初の個展として「上海外灘美術館(ロックバンド・アート・ミュージアム / ROCKBUND ART MUSEUM)」で開催された展覧会に伴い刊行された。
過去20年間、作者は展覧会来訪という体験に対し、そのこと自体をメディアとしてどうあるかという可能性を追求することで、それを根本的に再定義してきた。本展は、半自動の操り人形となるべく、時間、空間、光、そして音を予想外の方法で用い、建物の今の在り方を変え、作者自身が展示空間の伝統を覆す、イベントにおける「永久動作」となるのである。作者は光、影、時間を操作することで、常に進化し続けるエリアを来場者へと案内する。作品と美術館の建築的構造との間に生じる相互作用に来場者が関与していることが本書に収録された豊富な図版で証明されている。
キュレーターのラリス・フロジャー(Larys Frogier)は「パレーノは、物理的、感情的、概念的という相反する概念に来場者を関わらせる。彼は無限の可能性を秘めたあらゆるものを含む世界を創り出すべく、現実と虚構の間に生じる違いを曖昧にするのである。」と語る。フロジャーはこのテキストとあわせ、作者の芸術的研究と呼応する詩『Vision』を寄稿している。
本展は、作者のキャリアに大きく影響を与えたと言っても過言ではない、フランス・ディジョンの現代美術館「ル・コンソーシアム(Le Consortium)」のディレクターであり共同創設者のグザヴィエ・ドゥールー(Xavier Douroux)に捧ぐものである。
EXHIBITION:
フィリップ・パレーノ:この場所、あの空
会期:2024年6月8日(土)- 12月1日(日)
休館日:年中無休
時間: 9:00 - 17:00
開催場所:ポーラ美術館 展示室1、2、5および屋外
詳細