WHERE TO START FROM by Maurizio Nannucci
イタリア人アーティストのマウリツィオ・ナンヌッチ(Maurizio Nannucci)の作品集。本作は、作者の全キャリアを網羅し、主なプロジェクトのを抜粋した包括的なモノグラフ。本書は、2015年6月から10月までローマの「イタリア国立21世紀美術館 / マキシ(MAXXI)」で開催された展覧会に伴い刊行された。
作者の芸術を包括的な概観として提供する本書は、「Dattilogrammi」(1964/1965年)、「Alfabetofonetico」(1967年)、「M40」(1967年)、「Corner」(1968年)、「Colors」(1969年)、大型インスタレーション作品「The missing poem is the poem」(1969年)、数々のサウンドインスタレーション作品(1966年以降)、写真シリーズ「Giardini botanici」(1967年)、 「Scrivere sull'acqua」(1973年)、「Sessanta verdi naturali」(1973年)などの歴史的に重要とされる先駆的な作品から、「イタリア国立21世紀美術館」のファサードのために特別に構想された大規模作品「More than meets the eye」をはじめとする本展覧会のために制作された3つの新作インスタレーションまで、幅広い作品を収録。
1960年代以来、芸術、言語、イメージの関係の考察を続けてきた作者は、多くの世代のアーティスト、建築家、音楽家、批評家、キュレーターから参考とされる存在である。光、色彩、音、現実と想像上の空間の関係を探求したその作品群は、様々な分野の対話を特徴とするが、このことは、特に大型のネオンサインを使った作品に顕著に現れている
「MAXXIに設置されたネオンサインは、マウリツィオ・ナンヌッチの詩的なアプローチの宣言である」と本展のキュレーションを担当したバルトロメオ・ピエトロマルキ(Bartolomeo Pietromarchi)は記す。「同時にこの作品は、アーティスト本人の言葉を用いると、『イメージが表象の限界を超え、言葉、音、香りによって呼び起こされる心象、虚像、夢や白昼夢の中のイメージになる』空間を超えて広がっているという点において、展覧会『Where to start from』の始まりでもある」