AUTOBIOGRAPHY N.11 by Maurizio Nannucci
イタリアの出版社「TONINI EDITORE」が、毎月一人のアーティストにフィーチャーし発行するシリーズ、『AUTOBIOGRAPHY』の第11号。デザイン、ページ数が統一された中でアーティストたちは自伝的なテーマをテキストあるいはイメージによって表現している。
第11号は、イタリア人アーティストのマウリツィオ・ナンヌッチ(Maurizio Nannucci)。作者は、1960年代半ば以降、コンクリート・ポエトリー(具体詩 / 視覚詩)やコンセプチュアル・アートにおける創造的実験を牽引してきた主要人物である。
本作は、「auto(biblio)graphy(オートビブリオグラフィー)」として構想されて制作されており、56ページにわたって書物の表紙と文献目録が収録されている。
「492のキャラクター。本作は、考える、書く、読む、メッセージを送る、人をつなぐという文化的なプロセスに内在する60のページで構成されています。本は、私の芸術活動の重要な一部であります。本を作ること、また、探すことは、私にとって相互的な関係なのです。クロスリーディング(※註)は、思考、言葉、テキスト、アイデアを、想像力の自律性と気軽さで結びつけたいという自身の欲求を満たすものです。様々な印刷物のクロスリーディングを行うことで、ランダムな組み合わせや思いがけない意味を発見する可能性が広がり、その喜びを止めることはできないのです。」―本作より抜粋
※註 相互的に読み比べること
各号のアーティストの選定は、コレクターであり「coleção moraes-barbosa」を主催するペドロ・バルボーザ(Pedro Barbosa)、美術史家のアレックス・ベーコン(Alex Bacon)、ギャラリー「Studio Guenzani」を主宰するクラウディオ・グエンザーニ(Claudio Guenzani)、アーティストであり作曲家、タイポグラファーのミシェル・ロンバルデリ(Michele Lombardelli)、作家であり研究者、インドの「コーチ=ムジリス・ビエンナーレ」の発起人でもあるシュウェタル・アシュヴィン・パテル(Shwetal Ashvin Patel)、コレクターであり学者のクリストフ・シファーリー(Christoph Schifferli)、「homonymous publishing house」のディレクター、ヴァレンティノ・トニーニ(Valentino Tonini)が務める。