AUTOBIOGRAPHY N.14 by Stefan Marx
イタリアの出版社「TONINI EDITORE」が、毎月一人のアーティストにフィーチャーし発行するシリーズ、『AUTOBIOGRAPHY』の第14号。デザイン、ページ数が統一された中でアーティストたちは自伝的なテーマをテキストあるいはイメージによって表現している。
各号のアーティストの選定は、コレクターであり「coleção moraes-barbosa」を主催するペドロ・バルボーザ(Pedro Barbosa)、美術史家のアレックス・ベーコン(Alex Bacon)、ギャラリー「Studio Guenzani」を主宰するクラウディオ・グエンザーニ(Claudio Guenzani)、アーティストであり作曲家、タイポグラファーのミシェル・ロンバルデリ(Michele Lombardelli)、作家であり研究者、インドの「コーチ=ムジリス・ビエンナーレ」の発起人でもあるシュウェタル・アシュヴィン・パテル(Shwetal Ashvin Patel)、コレクターであり学者のクリストフ・シファーリー(Christoph Schifferli)、「homonymous publishing house」のディレクター、ヴァレンティノ・トニーニ(Valentino Tonini)が務める。
第14号は、ベルリンを拠点に活動するドイツ人アーティスト、ステファン・マルクス(Stefan Marx)。スケートボードカルチャーに大きく影響を受けた作者は、ZINEやTシャツ、レコードカバー、スケートボードのアートワークを手がける一方、ギャラリーでの展覧会も行っており、DIYカルチャーとファインアートを軽やかに横断している。作者のモノクローム作品や絵画は、しばしば歌詞やセリフが自身の持つ独特のスタイルで描かれており、現代社会に対する何とものんきなコメントとしてある。日常の場面をコミカルに描写したイラストレーションや、絵画、スローガンは、ストリートカルチャーに根ざしているが、私たちの文化的意識に訴えかけている。
本作では、スケッチ、絵画、スナップ写真、そして文章といったさまざまなメディアが、作者が確立した象徴的なスタイルで描かれている。