OUARZAZATE by Mark Ruwedel [SIGNED]

アメリカ・カリフォルニア出身のフォトグラファー、マーク・ラウェーデル(Mark Ruwedel)の作品集。タイトルであるモロッコの小都市ワルザザート(Ouarzazate)は、デヴィッド・リーン監督の『 アラビアのロレンス(Lawrence of Arabia)』をきっかけに映画産業が盛んになり、映画スタジオやロケ地があることで良く知られている。作者は、マラケシュ写真美術館アメリカ友の会(American Friends of the Marrakech Museum for Photography)に招かれ、アーティスト・イン・レジデンスのプロジェクトとして2014年と2016年に映画のセットを撮影した。ワルザザートで撮影された映画といえば『クレオパトラ(Cleopatra)』、『ザ・ガーデン・オブ・エデン(The Garden of Eden)』、『ザ・マミー / 呪われた砂漠の王女(The Mummy)』、『最後の誘惑(The Last Temptation of Christ)』など歴史や聖書を題材にしたスペクタクル映画がほとんどだが、『シェルタリング・スカイ(The Sheltering Sky)』や『ヒルズ・ハブ・アイズ(The Hills Have Eyes)』などもこの地でロケを行っている。使われたセットの多くは放置されているようだが、その一部は何度も再利用され別の映画に登場している。中世の村につながっている古代エジプトのポータル。実際にはどこか他の街に「実在する」旧市街のレプリカをボロボロにした、荒廃した本物のカスバ。羊飼いたちが羊の群れを連れて「古代ローマの」大砲や円柱の横を通り過ぎていく。

私はナサニエル・ウェストの『イナゴの日(Day of the Locust)』の文章をいくつも思い出しました。

この30年間、作者は作品の大部分をアメリカの砂漠で撮影してきたが、遠く離れたモロッコでも、現代の廃墟や風景と風景写真の歴史という長年のテーマを追いかけている。その写真は、古代エジプトや中東を撮った19世紀ヨーロッパの写真を奇妙なほどに思い出させる。

by Mark Ruwedel

REGULAR PRICE ¥11,000  (tax incl.)

hardcover
136 pages
295 x 249 mm
black and white 
2018

SIGNED BY MARK RUWEDEL

shortlist of the Deutsche Börse Photography Foundation Prize 2019

published by MACK