PORTRAITS IN LIFE AND DEATH by Peter Hujar

アメリカ人フォトグラファーのピーター・ヒュージャー(Peter Hujar)の作品集。「第60回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展(2024)」公式イベントとして、2024年4月から11月まで「イスティトゥート・サンタ・マリア・デッラ・ピエタ(Istituto Santa Maria della Pietà)」で開催された展覧会に伴い刊行された。生前、自身が出版した唯一の作品集である本書が、1976年の刊行以来初めて再販される。

「(ヒュージャーの)純粋な意思に感動する......。このメメント・モリは、その甘い詩やパニックを呼び起こすのと同じくらい効果的に、病的な状態を祓ってくれる。」– スーザン・ソンタグ(Susan Sontag)

ウィリアム・バロウズ(William Burroughs)、スーザン・ソンタグ、ジョン・ウォーターズ(John Waters)から、「トロカデロ・グロキシニア・バレエ団(Trockadero Gloxinia Ballet Company)」の創設者ラリー・リー(Larry Ree)、素性不明のT.C.に至るまで、クリエイティブな場で活動する人々を捉えた29枚のポートレイトは、心を揺さぶる美しさと、非日常的でありながら人を惹きつける心理学的な追求の度合いが高く見られる。そのポートレイトに続くのは、衝撃的、荒廃的としか言いようのない11枚の写真である。それは、イタリアのシチリア島北西部に位置する都市パレルモの教会の地下にある乾燥した地下墓地で発見された、19世紀のシチリア人の衣服をまといミイラのような保存状態にある遺体を写したものである。

写真自体にも、この本の2つのセクションの間にも、必要とする繋がりはない。しかし、生から死へと向かう画の移り変わりは、我々が皆歩んでいく旅の象徴である。生きている被写体は、カタコンベ(地下墓地)の写真がもたらす深遠な効果によって縁取られた「死」というものを瞑想しているように見える。どちらのイメージ群も異なる形で、我々の意識を超えたどこかに抱えている根本的な恐怖や感情に語りかけている。非凡な素晴らしさを持つこの写真集を見た後、このような解釈や関連を思い浮かべないことはほぼ不可能であり、被写体の内なる精神と思われるものを伝える作者の首尾一貫した能力に感動せざるを得ない。

それでも、写真には平静な空気、むしろ朗らかな雰囲気さえも漂っている。本書は奇妙で、斜に構え、時に曖昧で、確実に深さを感じさせ、とげのように心に刺さって残る。一度見たら忘れられない一作であろう。

by Peter Hujar

REGULAR PRICE ¥14,850  (tax incl.)

hardcover
100 pages
264 x 290 mm
black and white
2024 (1976)

published by LIVERIGHT PUBLISHING