BEYOND CONCEPTUAL ART by Seth Siegelaub
アメリカ人アートディーラー、キュレーター、研究者であるセス・ジーゲローブ(Seth Siegelaub)の作品集。2015年12月から翌年4月にアムステルダム市立美術館( Stedelijk Museum Amsterdam)で開催された、2013年に幕を閉じたその生涯と作品に関する初の展覧会「Seth Siegelaub: Beyond Conceptual Art」に伴い刊行された。「コンセプチュアル・アートの父」と呼ばれ、1960年代後半においてその誕生と確立の中で重要な役割を果たした事で知られる作者は、ギャラリスト、インディペンデントキュレーター、出版者、研究者、コレクター、書誌学者など様々な活動をしていた多才な人物であった。「展示空間」という概念を再定義し、歴史的名著『ゼロックス・ブック(The Xerox Book)』を手がけ、コンセプチュアルな実践を提示、普及させるために尽力してきた作者の役割を再評価するとともに、その非凡で探究心に富み、自由奔放であったその才能を本書では見ることができる。ブックデザインはアムステルダムを拠点とするデザイナー、イルマ・ボーム(Irma Boom)が手がける。またパリの国立美術史研究所の研究員でありインディペンデント・キュレーターのサラ・マルティネッティ(Sara Martinetti)、カリフォルニア大学バークレー校で近現代美術の教鞭を取るジュリア・ブライアン・ウィルソン(Julia Bryan-Wilson)、バリー・フラナガン・エステート、ロンドン芸術大学チェルシー・カレッジ・オブ・アートでアーカイヴ・特別文庫担当講師を務めるジョー・メルヴィン(Jo Melvin)、アムステルダム市立美術館キュレーターのレオンティン・コエルウィッジ(Leontine Coelewij)、社会史国際研究所の研究員を務めるゴッツ・ランカウ(Götz Langkau)らによるエッセイや対談などを収録。