AN EVENING, CHAPTER 32 by R.H. Quaytman
アメリカ人現代アーティスト、R.H.クエイトマン(R.H. Quaytman)の作品集。2017年11月から2018年1月にかけて「ウィーン分離派会館(セセッション / secession)」で開催された展覧会に伴い刊行された。
「ウィーン分離派会館」のメイン・ギャラリーにおいて、作者は木製パネルに描かれた、本シリーズ22点の絵画からなるフリーズを展開した。これらの作品は、45度の角度をなす2面の壁に配置されている。2面の壁を合わせた長さは、グスタフ・クリムト(Gustav Klimt)の「ベートーヴェン・フリーズ(Beethoven Frieze)」の全長と等しく、作者は本章においてこの作品にさまざまなかたちで言及している。過去のいくつかの展覧会における建築的なプランと同様に、この配置は開かれた本のかたちに基づき、一点透視図法を際立たせている。
本書は、作者の記念碑的な作品群を176ページに凝縮し、書籍というメディアの可能性と巧みに戯れている。ハードカバーの背は芯まで黒く染められた紙で覆われ、表紙と裏表紙には布地を写したモノクロ写真がポジとネガで配されている。巻末には、ノーベル文学賞作家であるエルフリーデ・イェリネク(Elfriede Jelinek)によるテキストが、ドイツ語版と英語版の2冊の小冊子としてマット紙に刷られ、綴じ込まれている。本文では、常に光沢紙に刷られた見開きの4つのうち1つだけが開くようになっており、水平に連なる空間のシークエンスを想起させる順序で作品が示されていく。ミシン目に沿って閉じられたページを切り開くと、光沢紙とマット紙が交互に現れるページをめくることができる。こうして本はひとつのオブジェとなり、内側に隠されたページを裂き、露わにするという行為を読者に求める。その行為を通して、作者の芸術の本質とテーマが繊細に伝えられる。
ドイツ語、英語併記。
In the Secession’s main gallery, the American artist R. H. Quaytman has developed a frieze comprising twenty-two paintings on wood panels titled An Evening. Chapter 32. These paintings are placed on two walls that form a forty-five-degree angle. The combined measurements of the two walls equal the length of Klimt’s Beethoven Frieze, which the artist references in various ways for this chapter. Like the architectural plans for several previous exhibitions, this configuration is based on the figure of the open book and reinforces one-point perspective. Yes this doesn’t say much about the book, which accompanies that show, and actually comprises texts by Elfriede Jelinek and R.H.Quaytman.