COPY MACHINE MANIFESTOS: ARTISTS WHO MAKE ZINES
北米で制作されたアーティストによるZINEの歴史を紹介する作品集。2023年11月から2024年3月にかけてニューヨークの「ブルックリン美術館(Brooklyn Museum)」で開催された展覧会に伴い刊行された。
本展は北米に焦点を当ててアーティスト・ジンを紹介する初の展覧会であり、それに伴い本書も同テーマの専門書としては初刊行となる。
1970年代以降、ZINEは「ファンジン」、雑誌、テキストと画像を収録した自費出版冊子の略語として、コピー機で作られる形式を中心に普及し、文化の主流の外で活動を行う多くの人々に発言権と可視化する力を与えてきた。アーティストたちは、コミュニケーションやコミュニティ形成においてZINEという媒体が果たす本質的な役割を活用し、あらゆるメディアを横断する創作活動への物質的かつ概念的なアプローチを変革すべくZINEを用いてきた。
本書は、これまでにないほど豊富にアーティスト・ジンの歴史を捉え、ビジュアル・アートの系譜と文脈の中に位置付けて1970年以降過去50年間分の活力に満ちたその成長を探る。絵画、写真、映画、映像、パフォーマンスなど、ZINE以外の媒体を用いた作品とともに、何百ものZINEの表紙と内容が図版で余すことなく掲載されている。
作品に加えて100人以上の制作者の略歴も掲載しており、ビバリー・ブキャナン(Beverly Buchanan)、マーク・ゴンザレス(Mark Gonzales)、G.B.ジョーンズ(G.B. Jones)、ミランダ・ジュライ(Miranda July)、ブルース・ラ・ブルース(Bruce La Bruce)、テレンス・コー(Terence Koh)、LTTR、アリ・マルコポロス(Ari Marcopoulos)、マーク・モリスロー(Mark Morrisroe)、レイモンド・ペティボン(Raymond Pettibon)、ブロンテズ・パーネル(Brontez Purnell)、ポール・ムパギ・セプヤ(Paul Mpagi Sepuya)、キャンディス・ウィリアムス(Kandis Williams)、ミヤギフトシなどの顔ぶれが並ぶ。