MONT ST MICHEL by Michael Kenna

アメリカ在住のイギリス人フォトグラファー、マイケル・ケンナ(Michael Kenna)による作品集。ヨーロッパでも潮の干満の差が最も激しい所として知られるサン・マロ湾上に浮かぶ島、モン・サン=ミシェル。そこはフランス本土とたった一つの橋で繋がっている。高い岩場でできた小島に建つ修道院は、まるで海に浮かぶ蜃気楼のようであり、その目を見張るほどの情景を作者は何年にも渡り写し続けた。日中は人や自動車、バスが島を行き交い、騒がしくギラギラした観光地のようであるが、夜になると一変し、平和のため、祈りを捧げるため、そして静寂の中瞑想を行うために在るモン・サン=ミシェル本来の姿となる。これこそが、作者が描きたいと思うこの場所の表情であり、喧騒がそれぞれの住処へ帰った後ようやく撮影をすることができる。一人鐘楼を登り、地下室やチャペルを探索し、この小島の道をゆっくりと歩く。明るさは変化し、影は訪れては去り、雲はあちらからこちらへとかすかに変化していた。カメラのシャッターを開き、長時間露光撮影をしている間に感じる静寂を作者は噛み締め、この写真は独りの時間を切り取ったごく個人的な記録であると作者は感じた。その作品を作者と共有できる我々は幸運なのかもしれない。作者は本書を自身の父親に捧げるとし、堅実かつ凪のように穏やかで崇高なこの場所と、作者の愛すべき両親との結びつきを表現した心打つ序文が本書の冒頭に添えられている。

by Michael Kenna

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hardcover 
84 pages
203 x 305 mm
black and white
2007

published by NAZRAELI PRESS