NO PREDICTED END by Marina Abramović & Ulay

旧ユーゴスラビア出身のパフォーマンスアーティスト、マリーナ・アブラモヴィッチ(Marina Abramović)とドイツ人アーティスト、フランク・ウーウェ・レイジーペン(Frank Uwe Laysiepen)、通称ウレイ(Ulay)による作品集。

1976年から1988年までの間、マリーナ・アブラモヴィッチとウレイはパフォーマンス・アートを通して、人間の存在と関係における極限を追い求めた。二人は恋人であり、またアーティストとしてのパートナーであり、美術史上最も画期的なパフォーマンスを共に創り上げた。そしてその関係は、1988年、最後のパフォーマンスをもって終わりを告げた。本書では、愛と芸術に関する共通の真実を明確にしようとする二者が30年後に交わした最後の対話を紹介する。

1976年以降繰り広げられた「Relations in Space」(1976年)では、裸の二人が1時間以上にわたり何度もぶつかり合い続けた。「休息のエネルギーRest Energy)』(1980年)では、マリーナ・アブラモヴィッチの心臓にウレイが矢を向け、弓の緊張感が互いのバランスを取った。「Nightsea Crossing」(1981–1987年)では、1981年から1987年にかけて22回、7時間もの間、沈黙の中向かい合って座り続けた。1988年に行われた最後のパフォーマンス「万里の長城を歩くThe Great Wall Walk)」(1988年)では、互いが万里の長城の両側から歩き、中間地点で決別するものであり、総距離は4,000キロを超えた。最終的に二人が会ったのは、当初の予定通り結婚するためではなく、きっぱりと別れるためであった。

2010年に「ニューヨーク近代美術館(MoMA)」で開催されたマリーナ・アブラモヴィッチのパフォーマンス「作家は在廊中The Artist is Present」で二者は感動的な再会を果たし、その後2015年には作品の権利をめぐって辛辣な法廷闘争を繰り広げた後、2人の関係と共有した芸術的な旅路について語り合うべく、最後にもう一度会うことにした。しかしこの時、二人を隔てる境界を破ったのは疲弊や痛みではなく、ウレイの末期がんを知ったことであった。

デンマークの「ルイジアナ近代美術館(Louisiana Museum of Modern Art)」による非営利ウェブサイトおよびプラットフォームである「ルイジアナ・チャンネル(Louisiana Channel)」が2022年に公開した動画に収録された対談を記録している。


Marina Abramović & Ulay
No Predicted End by Louisiana Channel

by Marina Abramović , ULAY

REGULAR PRICE ¥13,200  (tax incl.)

softcover
352 pages
140 x 230 mm
black and white
2024

published by BOOK LAB