2015年の「FOAM TALENT」にも選ばれたハンガリー人アーティスト、マートン・ペルラキ（Marton Perlaki）の作品集。作者の多角的かつ実験的な制作を紹介する一冊。2018年から2023年の5年間の活動を捉えており、その間、作者は具象的な表現から抽象作品へと移行している。

タイトル「第三の手（THE THIRD HAND）」が意味するのは、制作するという行為を超え、静かであるがしかし強い影響を作者へと及ぼす未知の力である。魅惑的であり人智を超えるようなチャンスが指し示すのは、たとえ全くもって同じように一連のステップを踏んだとしても、その結果は異なってくるということである。この強力なマジックは、作者のプロセスにおいて重要な役割を果たしている。

本書は、絶えず自身を再構成し続ける実践に、いかにして具体的な型を与えることができるだろうか？という問いを投げかける。12に分かれたセクションの集積は、個々の「編集」が作者の深くて厳格な実践の撚り糸のもつれをほぐし、それが絡み合う方法を探しているのである。