VIAGGIO IN ITALIA by Luigi Ghirri
イタリアのカラー写真界のパイオニアでもあるルイジ・ギッリ(Luigi Ghirri)の作品集。作者自身が構想し、1984年に開催された展覧会「VIAGGIO IN ITALIA」(「イタリア旅行記」の意)に伴い刊行された同名作品の再版。1980年代以降のイタリアにおける風景写真の「マニフェスト」として象徴的な存在であり、現代イタリア写真への道しるべとなる一冊である。このプロジェクトは、異国情緒ある旅、刺激的なルポルタージュ、形式主義的な分析から離れ、日常的なイタリアの風景に焦点を当てた世代の写真家たちが紡ぐ物語である。このような転換は、イタリア人フォトグラファーであるガブリエレ・バジリコ(Gabriele Basilico)が指摘するように、イタリアが唯一無二の素晴らしい場所であるという決まり文句を、「反英雄的、反神話的、日常的、非美辞的」なイメージへと置き換えていった。20人の写真家陣が本企画に参画し、その多くが国際的に評価を得ることとなった。
美術史家のアルトゥーロ・カルロ・クィンタヴァッレ(Arturo Carlo Quintavalle)によるエッセイのほか、現代イタリア文学界を代表する作家であり翻訳家のジャンニ・チェラーティ(Gianni Celati)による論考も収録する。
参加作家:
オリボ・バルビエリ(Olivo Barbieri)、ガブリエレ・バジリコ(Gabriele Basilico)、ジャンアントニオ・バッティステッラ(Gianantonio Battistella)、ヴィンチェンツォ・キャステラ(Vincenzo Castella)、アンドレア・キャヴァツーティ(Andrea Cavazzuti)、ジョヴァンニ・キアラモンテ(Giovanni Chiaramonte)、マリオ・クレーシ(Mario Cresci)、ヴィットーレ・フォサッティ(Vittore Fossati)、カルロ・ガルシア(Carlo Garzia)、グイド・グイディ(Guido Guidi)、ルイジ・ギッリ、シェリー・ヒル(Shelley Hill)、ミンモ・ジョディーチェ(Mimmo Jodice)、ジャンニ・レオーネ(Gianni Leone)、クロード・ノリ(Claude Nori)、ウンベルト・サルトレッロ(Umberto Sartorello)、マリオ・ティネッリ(Mario Tinelli)、エルネスト・トゥリオツィ(Ernesto Tuliozi)、フルビオ・ベントゥーラ(Fulvio Ventura)、クシ・ホワイト(Cuchi White)