PONTUS HULTÉN AND MODERNA MUSEET: THE FORMATIVE YEARS by Pontus Hultén
スウェーデン人キュレーター、ポントゥス・フルテン(Pontus Hultén)の作品集。本書は、「ストックホルム近代美術館(Moderna Museet)」の館長を務めたフルテンのキュラトリアル実践に関するリサーチ・プロジェクトを収録した1冊。2015年秋、アートコレクション、アーカイブ、ライブラリーに基づく研究と学習として「Pontus Hultén and Moderna Museet」が始動し、フルテンが館長に就任し「ストックホルム近代美術館」が国際的な評価を得たその初期の時代に焦点を当てる。
フルテンは、「ストックホルム近代美術館」が開館した1958年に勤め始め、1960年には館長に就任、1973年までそのポジションを担った。フルテンは在任中に所蔵コレクションを構築、「Movement in Art」(1961年)、「American Pop Art: 106 Forms of Love and Despair」(1964年)、「She–A Cathedral」(1966年)、「Andy Warhol」(1968年)といった代表的な展覧会を開催し、結果「ストックホルム近代美術館」は世界の舞台でその評価が確立された。
2005年、フルテンは美術品コレクションを約800点、ライブラリーに約7,000冊、そしてアーカイブを「ストックホルム近代美術館」に寄贈した。本プロジェクトは、キュレーター並びに館長としてのフルテンの活動を掘り下げ、伝説的な1960年代の遺産と今日の美術館への示唆を探ることを目的としている。
2010年から2018年にかけて「ストックホルム近代美術館」館長を務めたスウェーデン人キュレーター、ダニエル・ビルンバウム(Daniel Birnbaum)による序文が収録されているほか、未公開写真やフルテンが1962年に発表した、美術館のあり方に関するテキストも掲載されている。