ELLSWORTH KELLY (2015) by Ellsworth Kelly
アメリカの現代絵画の巨匠、エルズワース・ケリー(Ellsworth Kelly)の作品集。ヴィジュアルアーティストであるタウバ・アウエルバッハ(Tauba Auerbach)やアーティストのマット・コナーズ(Matt Connors)マルチメディアアーティストのアレックス・イスラエル(Alex Israel)など、後の世代の芸術家たちに影響を与えた抽象画のパイオニアである作者の、本人による密な協力のもとに制作されたモノグラフ完全版。
本人と共に制作された作品集として最後の一冊となる本書は、アブストラクト・アートの先駆者であり我々の時代の最も特徴的かつ影響力を持つアーティストの一人である作者についてまとめられた決定版である。1940年代から、2015年末に逝去する直前も手がけていた最後のプロジェクトまで、実り多くも多様であった全作品を記録している。
絵画、彫刻、ドローイング、写真、ポストカードや版画、最も有名な作品となったモノクロームの抽象絵画を図版で紹介し、作者の研究者であるトリシア・パイク(Tricia Paik)による年代学的概説も収録。詳細に語られたインタビューや、個人的なアーカイブからのイメージ群、作者のインスピレーションとなったアーティストの作品などを収め、個人としていかにアートへのアプローチしてきたか称賛する一冊となっている。
キュレーターであるロバート・ストー(Robert Storr)、美術史家のリチャード・シフ(Richard Shiff)、キュレーターであるゲイリー・ギャレルズ(Gary Garrels)、同じくキュレーターのギャビン・デラハンティ(Gavin Delahunty)など、名だたる作家や評論家によるショート・エッセイや、作者の人生と作品を挿絵と共に描くナラティブな年代記、未公開であった作品も注目に値する。