RACHEL HARRISON: LIFE HACK by Rachel Harrison
アメリカ人アーティスト、レイチェル・ハリソン(Rachel Harrison)の作品集。2019年10月から2020年1月までホイットニー美術館で開催された展覧会に伴い刊行された。
「彫刻家レイチェル・ハリソンの作品は、今の現代美術の精神を最も強く感じさせると同時に最も難解である。美術界においては長らくジャンル、スタイル、アイデアのリサイクルが行われてきたが、この潮流を打ち破るオリジナリティーという点において最も重要な作家ともいえる」―美術評論家 ピーター・シュエルダール(Peter Schjeldahl)、The New Yorker誌
作者は彫刻、展示空間全体を使ったインスタレーション、ドローイング、写真、アーティストブックを通じて、セレブリティカルチャー、ポピュラー心理学、歴史、政治といったテーマを探求している。作者との密接なコラボレーションにより制作された本書は、この10年間で初めての包括的な作品集であり、25年に渡るキャリアの全貌を網羅している。主となる作品、シリーズ、展覧会を時系列に添って紹介する豊富なイメージが本書の見どころであり、複数の視点から細部まで詳細に捉えた写真と短い文章でそれぞれのオブジェを解説する。ファウンドマテリアルと自身で作った彫刻的要素を取り入れたその作品は、美術館における展示の伝統をひっくり返し、ありふれたものを不思議な物体に変身させる。ここでは徹底したアプローチによって複雑で多彩な作品の意味が解き明かされている。初期の作品から最新作まで、ハリソンの作品について書かれたエッセイ6点に加え、本プロジェクトのために作者が制作したフォトコラージュ数点を収録。今回初めて出版されるこれらの作品においては、ファウンドイメージの上に過去の作品のイメージが重ねられている。
ニューヨーク市立大学大学院センター美術史学科教授のデビッド・ジョセリット(David Joselit)、ニューヨークのホイットニー美術館写真部門ソンドラ・ギルマン・キュレーターのエリザベス・サスマン(Elisabeth Sussman)による共著。