JOSEF ALBERS IN AMERICA - PAINTING ON PAPER by Josef Albers
ドイツ人アーティスト、ヨゼフ・アルバース(Josef Albers)の作品集。「モーガン・ライブラリー・アンド・ミュージアム(The Morgan Library & Museum)」で開催された展覧会に伴い刊行された。
リトグラフやリノカット、木版画、スクリーンプリント、エッチングなど、紙を用いたカラー作品(PAINTING ON PAPER)を初めて数多く収録した一冊であり、これまで全く未公開であった作品も含まれる。ドイツ生まれの作者が、傑れたアーティストでありながら更に教育者としての頭角を現したのは、アメリカに移住した後のことである。
1940年あたりから作者はメキシコにおけるコロンブス到来以前の建築物や彫像、テキスタイルにインスピレーションを受け、その美的感覚を解き放ち、近代ヨーロッパの絵画には見られることのなかった、型にはまらない燦然とした色のトーンを用いるようになった。およそ1950年頃、正方形こそが色彩の形として理想のものなのだと作者は発見する。作者は毅然とした画家であると同時に、色彩の哲学者でもあり、その色彩に関する厳密な研究は、20世紀以降の美術に大きく影響を与えた。「バウハウス(Bauhaus)」、「ブラック・マウンテン・カレッジ(Black Mountain College)」、「イエール(Yale)」で教鞭を執った作者は、マックス・ビル(Max Bill)やマーク・ロスコ(Mark Rothko)、エヴァ・ヘッセ(Eva Hesse)、レイ・ジョンソン(Ray Johnson)に至るまで、世代を超えて多くのアーティストやデザイナーにその理論を遺した。
本書に収録された紙の作品のひとつひとつが、いずれも色彩の現象性における感覚的な魅力を呼び起こさせるものである。絵画に見られるような筆致が削ぎ落とされた版画の作品群であることから、作者の色彩理論をより効果的に引き出しているとも考えられている。
EXHIBITION:
ジョセフ・アルバースの授業 色と素材の実験室
会期:2023年7月29日(土)- 11月5日(日)
休館日:月曜日(ただし9月18日、10月9日は開館)、9月19日(火)、10月10日(火)
時間: 9:30-17:00
開催場所:DIC川村記念美術館
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