ALBERS AND MORANDI: NEVER FINISHED by Josef Albers, Giorgio Morandi
ドイツ人アーティスト、ヨゼフ・アルバース(Josef Albers)とイタリア人アーティスト、ジョルジョ・モランディ(Giorgio Morandi)の作品集。2020年にニューヨークのギャラリー「David Zwirner」で開催された展覧会に伴い刊行された。ともに近代美術を牽引する存在であった2人の画家によるクリエイションとその背景が見せる親和性とコントラスを探る一冊。両者の作品が一緒に展覧されることは珍しいが、そこには多くの共通点が見受けられる。互いに面識はないが、色彩、形、フォルム、形態に独特の手法を施しながら、共通して差異と可能性を追求し続ける創作姿勢があった。ポール・セザンヌ(Paul Cézanne)の影響を受けた両者は、錯視の名手として、またプロポーションの達人として、それぞれ異なる視点でありながら近い発想源を持っていた。アルバースは色彩の機微、あるいは大胆な変化、そしてそこに生まれる相互作用がもたらす効果に着目し、モランディはシンプルな物質を舞台上の登場人物に見立てた静物画を描き、その空間におけるそれぞれの関係を探った。
数々の図版とともに、展覧会のキュレーターであるデイヴィッド・レイバー (David Leiber)、ドイツ・ボトロップの「ヨゼフ・アルバース美術館(Josef Albers Museum Quadrat Bottrop)」のディレクターであるハインツ・リースブロック(Heinz Liesbrock)、「ジョセフ&アニ・アルバース財団(Josef and Anni Albers Foundation)」のディレクターであるニコラス・フォックス・ウェーバー(Nicholas Fox Weber)の3氏による、形と色にまつわる座談も収録。また、エッセイは、キュレーター・美術史家であり、「イタリア近代美術センター(Center for Italian Modern Art)」の創設者かつモランディ研究を専門とするラウラ・マッティオーリ(Laura Mattioli)が寄稿する。
EXHIBITION:
ジョセフ・アルバースの授業 色と素材の実験室
会期:2023年7月29日(土)- 11月5日(日)
休館日:月曜日(ただし9月18日、10月9日は開館)、9月19日(火)、10月10日(火)
時間: 9:30-17:00
開催場所:DIC川村記念美術館
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