(RE)VERSVS - REUSE AND REDEMPTION IN THE PATRIMONY OF THE VATICAN LIBRARY AND IN THE ART OF SIDIVAL FILA - ROM, BIBLIOTECA APOSTOLICA VATICANA
2023年4月から7月まで「バチカン図書館(Vatican Library)」のエキシビジョン・ホールにて開催された展覧会「(RE)VERSVS. REUSE AND REDEMPTION IN THE PATRIMONY OF THE VATICAN LIBRARY AND IN THE ART OF SIDIVAL FILA」に伴い刊行された作品集。ブックデザインはオランダ人グラフィックデザイナー、イルマ・ボーム(Irma Boom)が手がける。
本展は、アーティストと「バチカン図書館」のキュレーター陣が「再利用(REUSE)」と「救済(REDEMPTION)」をテーマとして深く考察した成果である。「バチカン図書館」の歴史的遺産を用い、古代の、あるいはシンプルにそれ以前の、あるいは無関係と思われる素材を、本来とは異なる新たな方法で使用し、価値を高めるという可能性を探る。ここで用いられている形式は、本来の用途と比較した場合、「異なったもの」、時に「相反するもの」として考え出されている。
展覧会では、写本、テキスタイルや大理石などの断片や、不要で放置されたものを集めて見せている。再利用する場合は新たな目的を振り当て、一方でその物質自体の存在論的価値を称賛するような救済をする場合は、新たな使い方に実用性があるか否かは関係なく扱われる。
本展は、図書館内の「サーラ・バルベリーニ(Sala Barberini)」でサイト・スペシフィックなインスタレーション「Natura Artificialis」とともにまとめられており、そのインスタレーションはブラジル出身のアーティストであるシディバル・フィラ(Sidival Fila)の重要なヴィジョンを象徴している。もっぱら自然が人類に奉仕するものとされている誤った考えと、人類そのものに対する批判的な目線を起点としたフィラの重要な考え方がそこでは見ることができる。
本文の紙には、作者がデザインを監修し、製紙会社と共同開発した作者の名を冠する特殊紙「IBO One」が使用されている。イタリア語、英語併記。