TO WHOM IT MAY CONCERN by Louise Bourgeois, Gary Indiana [NUMBERED]
フランス人アーティスト、ルイーズ・ブルジョワ(Louise Bourgeois)と、アメリカ人ライターであり映像作家、ヴィジュアルアーティストのゲイリー・インディアナ(Gary Indiana)の作品集。ブルジョワが水性塗料で男女の胴体を描いた作品と、インディアナの言葉が綴る詩を組み合わせ、人間の関係性、セクシュアリティ、身体性に対する瞑想、熟考を生み出している。
本書は、2009年から2010年にかけて制作され、ニューヨークのギャラリー「Carolina Nitsch」の出版物としてわずか7部のみ刊行された大判アーティストブック作品を、縮小して「VIOLETTE EDITIONS」より普及版として再版した一作である。
本作は、ブルジョワが完成させた最後のプロジェクトのひとつであり、彼女の作品が持つ不朽の力を示すにふさわしい作品である。豊かな色彩で描かれたピンク、紫、赤、青の画材が、膨らんだ腹部、重たい乳房、せり上がる陰茎、屈んだ胴体を、一連の見開きページ上で対になる状態で描いている。一見シンプルなデザインだが、それぞれの人物の色彩の幅と強弱が変化することで、首と手足がない身体が繰り返し組み合わされるたびに、その力強さが露わになる。インディアナが著す、短くも直感的であり叙情的なテキストは、本書全体に点在し、イメージ群との対話を形作り、型にはまらない非物語的な、肉体の壁、欲望と親密さについてより広い会話の一部を成しているのである。
EXHIBITION:
ルイーズ・ブルジョワ展:地獄から帰ってきたところ 言っとくけど、素晴らしかったわ
会期:2024年9月25日(木) - 2025年1月19日(日)
休館日:会期中無休
時間:10:00-22:00
場所:森美術館
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